カリスマ・シンガー、ジム・モリソンを擁し、独自の音楽で時代を切り裂いたドアーズ。彼らを一躍有名にした1967年の衝撃的なデビュー・アルバムを、最高の音質で復刻。歴史に残る名盤。
バイトと飲み会。
去年、3年次編入で入ってきた4Gクラスの飲み会に参加させてもらった。
ゼミで一緒の子が誘ってくれた。
夕方、バイトが終わった後に少し泳いで、帰宅。
家には、18時に着いた。
ちょうど集合する時間だったが、もともと遅れるつもりだったので、のんびり支度をして家を出た。
店の中、大体の人は集合済みだった。
入って早々、一瞬、みんなの場の空気が止めてしまったような気がして、ギクっとした。
余計な自意識を早く消したくて、アルコールを流し込む。
1時間もたたないうちに、酔っ払いになることが出来た。
途中、突然、ケーキが登場、この日誕生日だった友達をみんなで驚かせた。
俺の隣に座ってたその友達は、うれし泣き一歩手前に見えた。
泣きそうな時の軽く震えた声で「生きてて良かった。」と言ったり、笑いながら「オス!」とか言ったり(つい最近、空手部に入ったらしい)、かなり喜んでたみたいだった。
いいね、めでたいね。
そんなわけで、一つの盛り上がりを越え、少し落ち着いたところで自己紹介をしなくてはいけなくなってしまった。
俺1人だけクラスが違うので、ゼミが一緒の友達に「自己紹介をしなさい」と散々言われていたのだが、「キツイなぁ」と先伸ばしにしていたら、そんな羽目になった。
「面白いこといわんかなぁ」的注意が俺にグサグサ。
愚図愚図しながらの自己紹介、そんでもって終わりはグダグダ。
立って2・3分だったが、とにかく座りたくてしょうがなかった。
俺今年22歳ですよ。自己紹介もろくに出来ない22歳ですよ、ということは、ひしひしと伝わったんではないかと思う。
飲み会は、やさしくてよく笑う人ばかりだった。
無責任にボケても拾ってくれるし、「つまんないこと言ったかなぁ」と心配することもほとんどなくて、とても楽しかった。
ホッとした。
2次会前に”カラオケ組み”、”オシャレ部屋組み”に分かれた。知り合いが多かったし、『ドラえもん』で言うところの”しずかちゃん”も居たので、オシャレ部屋組に付いていくことにした。
俺世界では、僕、のび太。
約11人で、オサレ部屋に向かう。
その途中、大通りの交差点で横断歩道用信号機が落ちてるのに気づいた。
酔っ払い+信号機=記念撮影。そんなわけで信号機を抱えつつ、道端で記念撮影。2・3枚激写した後、「なんだかわからんが持って帰ろう」という話になり、10メートルほど運んだが断念、1人がカッコよく信号機を投げた。
そのまま行こうと思ったが、少し進んだところでみんなが来ていないことに気づいた。
引き返す酔っ払いたち。
そして現場。割と冷静な人たちが信号機を戻し、通報までしていた。
ん〜、素晴らしい。
そんなこんなで、オシャレ部屋に到着。
ハート...じゃなくてロウソクに火をつけ、蛍光灯を消し間接照明をつける。
無駄にムードが出たところで、談話、談笑。
ここでも楽しかった。なんと、アフロ連合加盟者増加。同士が2人も増えた。その後は「バヤイよ、こりゃ。夢広がるなぁ」って感じでアフロ話、アフロについてボケたり、そのボケにのったり拾ったりしながら、深夜、2時間近くかけてアフロについて語りあった。11人で。
3時ごろ、バイトが終わった友達が合流。
その少し後に、明日バイトのある友達が帰宅。
ほぼ2ヶ月遅れ、ちょっと遅めの誕生日プレゼント3つに、うれしそうにリアクションしたあと、オシャレに「おしゃれバイバイ」とか「おしゃれおつかれ〜」とか「おしゃれおやすみなさい」とか言って、みんなと別れの言葉を交わしつつ、家に帰っていった。
5時ごろまで、入れ替わりで入ってきた友達の、1人 on stageな話を聞きながら、ボーっとしていた。
疲れてた、不思議と醒めていたけど、博学な彼の言葉は俺の脳みそには届かず、途中リアクションする人たちを眺めてた。
彼を嫌悪してるわけではない。
ただ、「自分があぁだったら、いやだな」と思う。
調子に乗ってるときは、周りが見えにくいことが多い。
彼が、おそらくメチャメチャいい気分で話してる最中にも、俺みたいに話半分で聞いて、言ってることを全然信じてない人が居たりする。けっこう最悪だ。
○○するといいとか、○○するのはよくないとか、○○を使うとキメの細かい泡が出来るんだとか、下手すると何の根拠もないそれらの話をベラベラ喋る自分を想像する。
そいつには嫌悪感をもつことが出来た。
そういう自分はカッコ悪かった。
と同時に、不信感を感じさせないリアクションができる人たちを尊敬した。
いや、心からすごいと思ってるのかもしれないけどさ。
5時少し前、彼が怖い話を始めた。
俺は窓の外の色がすごく気になってて、全く話を聞く気がしなかった。
夜明けの少し前に、10分くらい、空気がうすく青みがかって見える時間帯がある。
『限りなく透明に近いブルー』のラストシーン、ガラスの破片が限りなく透明に近いブルーに映る場面は、その時間を切り取ったらしい。
俺も、数えるくらいだけど何度か見たことがある。すごくいい。
外に出ようと思ったけど、それを見るために外に出るのは面倒だったし、とくに出るための用事も口実もなかった。
何よりも、うすく青い朝の光景が見るためだけに外に出ることが、キザで野暮ったく思えた。
”タバコ、吸ってたらよかったのになぁ”と、思った。
こういうときに「俺、タバコ吸ってくるわ。」とかなんとか言って、外に出る用事をすぐ作ることが出来る喫煙者をうらやましく思った。
1人、怖い話の苦手な子が先に帰って、俺達もオシャレ部屋を去ることにした。
少し片付けをしたあと、やっと出れた外は、薄くも青くもなくて、ただなんでもない朝だった。
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