朝からバイトだった。昨日は監視員のバイトではなく、プールを管理する会社の親会社が開催する、ショッピングモールの感謝祭を手伝うというもの。

寝坊はしなかった。
家を出るとき、ウォークマンが見つからず、時間に間に合わなくなりそうになったので、あきらめた。
自転車を漕ぎ、流れる風景を眺めながら朝の空気は、久しぶりの早起きもあってとても気持ちが良いものだった。

けれど、音楽が欠けていたみたいで、やはり耳が寂しかった。
コンクリートの地面で枯れた落ち葉、車輪で踏み散らす音、カサカサと。

会場設営を終わらし10時、それぞれの持ち場に分かれて仕事。
俺の仕事は、子供に風船をあげるというものだった。

ヘリウムを入れ、宙に浮かぶ風船、赤、青、黄色、グリーンに紫、そしてピンクと白。

風船をもらいに来る子供は、素直に喜んでくれる子が多かった。
子供はあまり好きではない、というより苦手なほうだと思う。それでもたまに、「ありがとう」などと言ってくれる子がおり、まんざらでもない気分になったりした。
途中、”風船で浮く人”なテーマで、パントマイムをしたりして遊ぶ。

30分もすると広場には、俺と友達が膨らました風船が、目立つようになってきた。

「お、俺らの膨らましたやつでいっぱいだ。」
「俺ら、空間アーティストだね。」
「...、空間アーティストだねぇ。いやぁ、かっこいいなぁ〜、俺ら」

お互い、ギャグじゃなく本気で取られるとまずいので、二人とも恥ずかしそうに、そんな会話を交わした。

子供の笑顔にも、風船を膨らますのにも、風船で浮くパントマイムをするのにもすぐに飽きた。そんなわけで、声が変るかどうか試しにヘリウムを吸ってみることにした。
膨らました風船の半分ほど、ヘリウムを吸うと、ほんとに声色が変った。

「あ、これ声変るよ。やべ、楽しいなぁ」とかそんな感じもっとやろうと思ったところで、隣のテントで女と話ながらうんこな曲をかけてるDJに、すぐに怒られた。

「君たち、それ吸引用じゃないんだから。」って。

22歳、怒られ初めの図、「ヘリウムを吸って怒られる俺」。
そんなこんなで、かるくネタ尽きる俺たち。

子供の笑顔には飽きていたが、そこはお仕事。
引きつった笑顔で、お子様に対応。
全7色カラーの要望にも、即座に対応。

風船おじさんとしての役割は十二分に果たしたと思う。

午後はくじ引きおじさんをし、5時前に解散。
弁当はうまかったし、なかなか良いバイトだった。
屋外で体を動かす、まともなアルバイトは久しぶりなので、新鮮だった

家に帰る途中、図書館と古本屋に寄り、読みたい本を買ってきた。
夕飯を食べながら、読書、そしてウトウト。

今は3時、洗った手からはもう、ゴムの匂いがしない。

今日は試合がある。気が向いたら行こうと思う。

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